理事長からの挨拶

〜医療現場におけるサイバーセキュリティ対応力を強化し、医療における安全・安心の実現を〜

一般社団法人医療サイバーセキュリティ協議会は、2019年に母体となる医療機器サイバーセキュリティ座談会、のちに協議会(MDCSC)として、医療施設、医療機器ベンダー、HISベンダー、官公庁から医療現場のサイバーセキュリティを憂う有志が集まり発足しました。2020年後半から、医療機関を狙ったサイバー攻撃(主にランサムウェア)の被害が徐々に増加し、実際に長期間医療が停止するような影響にまで及んでいます。この事態の悪化に対応すべく、2022年4月より、医療サイバーセキュリティ協議会と名前を変え、医療業界全体を対象にすることを明確にし、また、より幅広い活動を行うために、一般社団法人として設立されました。

医療サイバーセキュリティ協議会は、多くの有志が集まり、基本的には無報酬で活動を行なっています。過去に、医療サイバーセキュリティ関係者への講演会・勉強会、サイバーセキュリティ情報のベストプラクティスや課題を共有し合う情報共有ワークショップ、医療施設およびサプライチェーンにまたがるインシデント訓練の実施などにより、意識啓発、正しい知識や対応方法の共有、また、さまざまな気づきを感じていただける機会を提供してきたと考えております。2022年より、加入いただいた医療機関に対し、サイバーセキュリティ成熟度向上支援(サイバーBCPの構築、インシデントレスポンスなどの応急処置、サイバーセキュリティアセスメント、ギャップの識別、改善ロードマップ策定支援)を順次おこなっております。

協議会は、利他的であり、この現状を放置できない人たちの集まりで今までの活動を行なっており、さらに活動の範囲を広げ、医療業界全体を見通した活動に広げていくため、私どもの趣旨や活動に賛同してくださる方のご入会、ご貢献をお願いしています。

日本の医療を守るためにも、医療施設、システムインテグレーター、医機製販業、セキュリティベンダー他、多くの指示・支援を賜りますよう何卒お願いいたします。